25日、マドリッドのチャマルティン駅からTRDに乗った。西北西へ2時間半、「世界の車窓から」さながらの風景が広がっている。あの短い番組が、どれほど日本人の旅への憧れをかき立てたことか。さほどテレビ好きではない私も、石丸さんのナレーションが聞こえると思わず見入ってしまう。オリーブ畑や丘陵、渓谷を眺めているうちにサラマンカ駅に着いた。
世界遺産の町サラマンカは、静かな大学町だ。
と思ったが、これは家族が家で一緒に過ごすクリスマスの時間帯だったためで、この日の夜には大勢の人が町へ繰り出し、広場の様子も一変した。夜のカフェの何とにぎやかだったこと!
これは、まだ閑散とした日中のマヨール広場だ。
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娘がホームステイ先に行っている間、私は一人で町を歩き回った。マヨール広場に面した店でコーヒーを飲む。ブロンズ製のおじさんが椅子に座り、その右にブロンズと同じように動かないおじさんがいた。静かだ。
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そのあと、トルメス川にかかるローマ橋まで旧市街を歩いた。橋から眺める新旧の大聖堂が美しい、とガイドブックにある。曇ってはいるが、確かに見事だ。
と、後ろから大声が聞こえた。なに?
酔っぱらいが一人わめきながら、橋をこちらへ渡って来るのだ。他には誰もいない。
平気なふりをして、写真を撮り続けた。赤い髭面が近づいて何か大声で言ったけれど、スペイン語わかりませ〓ん。ひきつりながらニッコリしたら、そのまま通り過ぎて行った。ほっとして後ろ姿を1枚。
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サラマンカ大学は1218年創立、ヨーロッパで最も古い大学のひとつで、現在cursos internacionalesインターナショナル・コースで多くの国の学生がスペイン語を学んでいる。アメリカでお世話になったS家のダイアナも、数年前ここに来ていた。
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そう言えば、ガルシア・マルケス「予告された殺人の記録」に出てくる検死の下手な神父はこの大学で医学を学んだ、と書かれていたっけ。
有名なレリーフのあるファサードと中世そのままの図書館の画像を、
wikiなどで見ることができる。
レリーフにはカエルが彫ってあり、それを見つけると幸福になるという。大学近くの店にもカエルのお土産が色々置かれていた。絵はがきを買いながら理由を英語で聞いてみると、カエルは大学のシンボルだ(たぶん)とスペイン語で教えてくれた。
夕食はホストファミリー宅でごちそうになった。クリスマス休暇中はケベックからの留学生も滞在しており、スペイン語、フランス語、英語(と日本語)が飛び交いにぎやかだった。陽気なイグナシオとお料理上手なマリアンヘレスにお会いできてうれしかった。
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