「電車が遅れた」とクマールさんが言った。予定ではデリー発19:50の夜行特急に乗り、3日目の朝6:45、ガンジス川沿いの聖地ベナレスに到着するはずなのだ。携帯で情報を取っているらしい。
「2時間くらい遅れた」
リクシャーで市場に出かけ時間をつぶして、夜10時過ぎに駅へ行った。
「また遅れた。あと4時間」
駅構内の床には大勢の人々が毛布を敷いたり敷かなかったりして横になっているが、寒過ぎる。2階に部屋を取ってもらって2時間ほど仮眠した。深夜2時、ようやく寝台列車がやって来た。
ツアーで利用するのは、2Aクラス(2-tier AC)エアコン付き2等寝台だ。スーツケースを自転車用チェーンロックでベッド下の枠に固定し、上段のベッドに潜り込んだ。やれやれ。昼頃には着くよね。
しかし、驚くなかれ、
その後、寝台列車は動いたり止まったり動いたり止まったり、丸1日ノロノロと牛のように進み、昇った陽は虚しく沈みまた夜が来て、午後9時半過ぎようやくベナレスに到着したのだった。気の短いほうではないが、日本語教師二人は呆れ果てて、言葉も出ない(しゃべってたけど)。
15時間の大遅延だ。インド悠久の時ってこのこと?
何時間遅れようが、のんびり明るく待つインドの人たち。仕事に影響はないの?
半身隠れた帽子のおじさん、実は車掌だった。この後電車から親切に荷物を下ろしてくれたと思いきや、耳元で低く"money"とささやいた。ぎゃっ。これもインド的体験か。
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